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鼠径ヘルニアの初期症状と手術について

入院 入院

高齢になると男性は鼠径ヘルニアにかかりやすくなります。

鼠径ヘルニアとは、おなかの内臓を支えている腹壁の一部から、大腸の一部が下に下がってはみ出してしまう状態を言います。

男性は、新生児のころにおなかの中にある睾丸が下に降りて陰嚢に入りますので、構造的に腹壁が弱いとのことです。

65歳以上の男性の7割以上がかかるという統計が出ているそうです。もちろん女性も鼠径ヘルニアになりますが、女性の割合は男性の1割から2割といわれています。

ただし、20~40歳代の若年層は、女性の比率が高い傾向で(年間2万人ぐらい)、50代以降になると男性が圧倒的に多くなります。

鼠径ヘルニアの初期症状

私も昨年2024年に鼠径ヘルニアになりました。

初期症状は人によって違うかもしれません。私の場合はこんな症状でした。

3月初め頃、最初は左の下腹部に違和感が出ました。痛いとかではなく、何かが左下腹部にある感じ。階段を上るときに特に違和感を感じました。

それが時にチクチクするような痛みが出るようになりました。咳をしたりすると痛みが出ました。

でも鼠径ヘルニアの特徴である下腹部のふくらみは感じませんでした。ここが微妙なんですよね。

ふくらみがあれば鼠径ヘルニアとわかるのに、それがないものだから大腸の病気を疑ってしまいます。

痛みがあるときは、風邪薬を飲むと痛みがなくなるんです。鎮痛剤が入っているせいです。

そのうち治ることを期待しましたが、3週間たっても治りません。

3月の終わりごろに、かかりつけの医院に行って診てもらいました。

超音波で診ても鼠径部に膨らみもないし、大きな病院で大腸内視鏡検査を受けるように言われました。

翌週に検査ができる病院で内視鏡を予約し、当日胃と大腸の内視鏡検査を受けました。

内視鏡

結果はポリープを4カ所切除して1日入院となりましたが、検査結果も悪性のものはなく、鼠径ヘルニアとも言われませんでした。

鼠径部にふくらみがでた

およそ2週間後の4月中頃の夕方、治らない下腹部痛に鼠径部を触ってみると、膨らみがあるのが初めて分かりました。

これは鼠径ヘルニアに違いない。治療は手術しかないことが調べてわかっていました。都会なら日帰りの鼠径ヘルニア手術をする医院がありますが、地方にはありません。

内視鏡検査をしてもらった病院に行って鼠径部のふくらみを触診してもらうと、即座に鼠径ヘルニアですと言われました。

最初、医師はベッドに寝た状態の私を触診して膨らみがないと言っていましたが、私が立ち上がると膨らみが出ると言うと、「そうか!」という感じで触診してくれました。

寝た状態では「かんとん(膨らみが戻らない状態)」でない限りは、寝れば膨らみは戻ってしまいます。立ち上がった状態で膨らみを確認するのが大切です。

この病院では外科手術を行っていないというので、前もって調べておいた病院あてに紹介状を書いてもらいました。

鼠径ヘルニアの手術

4月下旬に紹介先の病院でも立ち上がった状態で鼠径部のふくらみを確認してもらい、手術が必要ですと診断されました。

担当は50歳前後の比較的若い先生で、きちんと説明してくれました。執刀も診断をしてくれた先生がするとのことで、とても信頼が持てました。

すぐにでも手術を受けたかったのですが、なんと手術が混んでいて、5月下旬になるとのこと。それでも予約だけ依頼しました。

かなり時間があるので、ネットで鼠径ヘルニア用のサポーターを買いました。

これは鼠径部をパッドできつく押さえて大腸が外にはみ出さないようにするものです。

これをすると、とても楽でした。ウォーキングをしても痛くありません。

トイレに行くときは外さなければならないのが難点ですが、普段は手で押さえていなくていいので本当に便利でした。

ようやく入院が決まりました。原則3泊4日とのことでした。

入院1日目は検査です。全身麻酔の手術なので心肺機能を入念にチェックされました。手術中は気管挿管で酸素を吸入するため、心肺機能が悪いとよくないそうです。チェックは良好でした。

2日目が午後1時から手術です。

午前中に浣腸をして便を出しておきます。手首に点滴用の針を入れました。

手術着に着替えて点滴セットを押しながら歩いて手術室に向かいます。担当の看護師さん2人が付き添ってくれました。

点滴

こういうときの優しい女性看護師さんには本当に癒されます。不安な気持ちを出さずに手術室に入ることができました。気が付いた時には手術は終わっているので割と平気でした。

看護師さん

手術室にはざっとみて10人ほどのスタッフが待機していました。軽く挨拶して、すぐにベッドに横になるよう促されます。

人の幅ほどしかない狭いベッドです。横になるや否や腕に血圧計をセットされ、体中に心拍、酸素飽和度などを測定するパッドが貼られます。

口元に酸素吸入マスクをセットされ、麻酔が入ると告げられます。10回呼吸するところまで覚えていましたが、その後は記憶がありません。

手術は腹腔鏡で行われます。詳細は割愛しますが、おなかの両側に1カ所ずつ、おへそに1か所、合計3カ所から腹腔鏡や鉗子を入れて、穴をメッシュでふさぎます。

終わりましたと言う声で気が付きました。まだ手術室です。

おしっこの管が入っているのですが、おしっこがしたくて仕方ありませんでした。このような現象は普通に起こるそうです。

手術ベッドから搬送用のベッドに乗せ換えられ、廊下を通り、エレベーターに乗り、自室まで行くのが分かりました。

部屋に戻るとしばらく酸素マスクをつけられます。でも息苦しく、何度も呼吸しているうちに本当に苦しくなってしまいました。

これは過呼吸だと気が付いたので、逆に呼吸を抑え気味にしたら次第に楽になっていきました。

入院

横に寝返りを打つのもつらく、ほぼ上を向いた状態で寝ていました。これで明日の朝まで12時間以上もこの姿勢なのかと思うと、この時が一番つらかったです。

一番痛かった導尿カテーテル抜き

3日目。手術の翌日です。

看護師さんが朝早く見に来てくれて窓を開けてくれました。

今日はおしっこの管を抜く日です。

8時ごろ、ベテラン看護師さんと朝窓を開けてくれた若い看護師さんの二人が来て管を抜きます。

カテーテル

抜くのはベテラン看護師さんの方。

下着を脱がせてくれ、大きく呼吸をしてくださいと言われました。吸ってはいて、吸ってはいて、吸ってはいた瞬間に管を一気に引き抜きます。

これが一番痛かったです。思わず呻き声が出ましたから。

でも一瞬なので、その後は歩いてトイレに行くことができます。

ここまでが主な出来事です。

あとは先生が経過観察に来てくれ、翌日に退院が決まりました。

退院の時、優しい看護師さんたちが懐かしく、もう少しいたいと思ったのは秘密です。

あの4日間は、二度と経験はしたくないけれど忘れられない日々になりました。

誠実で優しい先生、あかるく優しい看護師さん、いい人との出会いで、つらい日々がこんなに忘れられない日々になるなんて。これだけが救いです。

健康な日々に感謝

手術が決まったころ、自宅で片づけものをしているときに、ふとこんな普段なら面倒くさい雑用がこんなにも楽しかったなんて、病気になって初めて気が付きました。

サポーターをしてウォーキングをしていると、道端の花がとても美しく見えました。

健康ってなんて素晴らしいことだったんだと改めて気が付きました。

あれから1年。片づけものは面倒くさく思えますし、道端の花もそれほど美しくは見えません。

でも、あのときそう感じた思いだけは忘れません。

 

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